秘密基地に帰還したいのだが、なかなか帰還できなくブログの更新が止まってしまっている今日この頃。
クライアントに寄った仕事帰りに友人のMr.Wを車で乗せて帰った時の事である。彼の口から「遺留分減殺請求」という言葉が出てきました。
で、この「遺留分減殺請求」についてMr.Wに説明されたことを忘れないうちにメモを、と思いブログを書いています。(Mr.Wは金融関連の仕事をしている。)
まず「遺留分減殺請求」というこの硬質で物々しい言葉の意味を説明する前にまずは「相続」について簡単にまとめたいと思います。
まずは親族と親等数についてです。
親族とは「配偶者・6親等内の血族・3親等内の姻族」のことです。パッとコレを答えられる人は意外といないんじゃないでしょうか。覚えておくと良い知識ですね。
血族(けつぞく)とは自分と血のつながりがある親族のことで、姻族(いんぞく)とは自分の配偶者の血族です。母の妹は血族だけど妻の妹は姻族です。
で、この何親等かという数え方ですが・・・
0 : 自分・配偶者
1 : 親・子供
2 : 兄弟姉妹・祖父母・孫
3 : 甥っ子・姪っ子・ひいじいさん・ひいばあさん・ひ孫・叔父・叔母
4 : いとこ・祖父母の兄弟姉妹
5 : いとこの子供・祖父母の兄弟姉妹の子供
6 : はとこ(祖父母の兄弟姉妹の子供の子供)
という感じで数えます。自分と配偶者は数には考えません。
携帯のファミリー割引が3親等とかなってますが、つまり甥っ子・姪っ子・ひいじいさん・ひいばあさん・ひ孫・叔父・叔母もファミリー割引OKということになりますね。
ということで、親族ということになると意外と範囲が広い事に気が付きます。妻の叔父は親族ですが、妻のいとこは親族ではありません。
つぎに直系と傍系、尊属と卑属についてです。
なんとなく字の意味を考えればなんとなくその意味は分かりそうであるが、親族の定義と同じくこれも知っておくと良いと思います。
直系(ちょっけい):自分から見て、両親、子供、祖父母、孫のようにまっすぐ縦つながり親族のことです。
傍系(ぼうけい):自分から見て、兄弟姉妹、叔父叔母。いとこのように縦つながりから横につながった親族のことです。ちなみに直系以外は傍系です。
で、尊属と卑属ですが要するに上と下です。
尊属(そんぞく):自分から見て、両親、祖父母のように、上世代の親族のことです。
卑属(ひぞく):自分から見て、子供、孫のように、下世代の親族のことです。
自分と配偶者については、直系・傍系、尊属・卑属とは呼びません。
嫡出子と非嫡出子についてです。
簡単に言うと嫡出子(ちゃくしゅつし)とは法的に結婚した男女の間に生まれた子供のことです。
婚姻中に妊娠して、父親が死んだ後や離婚した後に生まれた子供もそうです。
未婚時に生まれて、父親に認知された子供で、後で父と母が婚姻した子供もそうです。
未婚時に生まれて、後で父と母が婚姻して、その後に父親が認知した子供もそうです。
もちろん養子縁組をした子供も嫡出子です。
非嫡出子(ひちゃくしゅつし)は、婚姻関係にない男女の間に生まれた子供のことで、上記の嫡出子の条件に当てはまらない子供のことです。
で、次に自分が死んだときに誰が相続人になりどんな割合で相続されるかというと・・・
民法で定められている相続人のことを法定相続人といい、法定相続人になれるのは配偶者と血族です。
配偶者は常に法定相続人になることができるのですが、血族については全員が法定相続人になれるわけではなく、順番が決まっています。
後順位の人は先の順位の人がいないときに相続人になります。
第1順位:自分の子
実の子であれば嫁に行った娘でも前の奥さんの息子でも相続人になれます。
もちろん養子や養子に行った実子でも、認知されている非嫡出子でも、自分が亡くなった時に奥さんのおなかの中にいる子でも相続人となれます。
配偶者1/2、子供が残りの1/2を均等に分けます。
配偶者がいない時は、相続人で均等に分けます。
第2順位:直系尊属(父母がいなければ祖父母のようにさかのぼる)
子どもがいないときは父母です。
配偶者がいる場合は、配偶者2/3。残り1/3を相続人で均等に分けます。
配偶者がいない時は、相続人で均等に分けます。
第3順位:兄弟姉妹
直系尊属がいないときは兄弟姉妹です。
配偶者がいる場合は、配偶者3/4。残り1/4を相続人で均等に分けます。
配偶者がいない時は、相続人で均等に分けます。
※ちなみに内縁の妻には全く相続権がありませんが、その間に生まれた子供(非嫡出子)には相続権があり、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の1/2になります。
※父母の一方が同じ兄弟姉妹の相続分は、父母両方が同じ兄弟姉妹の相続分の1/2になります。
で、親族等が全くいない場合は誰が相続人になるか知っていますか?
もうそうなると国が受け取るんじゃないの?と思ったがこれは違います。国は最後なのです。
親族等身寄りがない人が死んだ後に財産がある事が分かると、裁判所が選任した相続財産管理人がその人の周辺を調査することになります。どんな調査かというと生前その人の面倒を見ていた人は誰なのか?ということの調査です。その人の看護をしていた看護士や面倒を見ていた家政婦等を探すのです。
調査の結果、もし看護士がその人を看護していたのならばその看護士が、家政婦や友人、知人、近所の人等が世話をしていたのならばその人が相続人になるのです。
それもいないとき初めて国庫にその人の財産が行くことになります。
こんな感じで法律で決まっているのですが、遺産分割協議をした場合や、遺言書がある場合は、この相続分は当然変わります。
遺言書という言葉が出てきたところで、ようやく遺留分についてですが・・・
これは相続人に保証している一定割合の相続財産のことです。
被相続人(死んでいく人)は、原則として、自由に遺言することができるのですが、全財産を愛人に・・・とか書いてしまうと、残された家族は「え?!」ですね。
そこで、最低限度の一定割合の相続財産を遺族に保証していて、これが遺留分というです。
遺留分は、当然黙っていても貰えません。請求をしないともらえません。この請求のことを遺留分減殺請求といいます。
で、どれだけの遺留分があるかというと、これもちゃんと決まっています。
ちなみに遺留分は、子、配偶者、直径尊属にはありますが、兄弟姉妹にはありません。
配偶者と子供がいる場合
法定相続人が配偶者と子供の場合、遺留分は法定相続分の半分になります。
例えば、配偶者と子供2人の場合は、法定相続分は配偶者が1/2、子供1人1/4になり、遺留分は配偶者1/4、子供1人1/8になります。
この場合も非嫡出子は上記の半分です。
子供がいなく父母、祖父母がいる場合
法定相続人は配偶者と直系尊属、この場合も遺留分は法定相続分の半分になります。
配偶者と両親の場合は、法定相続分は配偶者2/3で親1人1/6なので遺留分は配偶者1/3で親1人1/12になります。
子供や尊属がいなく兄弟姉妹がいる場合
法定相続人は配偶者と兄弟姉妹。兄弟姉妹には遺留分はない。
法定相続分は配偶者3/4で兄弟姉妹は1/4を均等ですが、遺留分は配偶者が3/8となり兄弟姉妹には0です。
ということは相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合は兄弟姉妹には遺留分がないので兄弟姉妹に何を言われても全部を配偶者に残すことが可能なのです。
配偶者と子供がいなく尊属(父母、祖父母等)がいる場合
法定相続分は尊属で均等に分けます。遺留分はその1/3になります。
で、この遺留分を無視した遺言は通るのかというと、相続人から遺留分減殺請求がなければ通ります。当然、遺留分減殺請求をしないと愛人に全部渡ってしまうわけです。
もちろん、遺留分減殺請求は認めない。なんとしてでも全額愛人に渡す。なんて遺言書は無効です。
と、このように遺留分を無視した遺言書は面倒になることが多いので考えましょうね。ということですね。
ここに書いてある事はあくまで自分でググった事をザックリと簡単にまとめただけで例外的なケース等もありますので、注意してください。法律は専門家に聞くのが一番です。そして、法律の勉強をさせてくれたMr.Wに感謝です。